2025/09/27 12:02
かれこれ自宅で7年ほど使っている鉄瓶。白湯、お茶やコーヒーもこの鉄瓶で沸かしたお湯を使っています。

毎朝、私か妻のどちらか早く起きた方がコンロの火をつけて、お湯を沸かす事から1日が始まります。寒い時期になると、沸いたお湯を飲みながら朝の準備をして、子供達が起きてくる頃にコーヒーを淹れます。お休みの日の午後はお昼ご飯を済ませて、また鉄瓶でコーヒーやハーブティーを入れて一息つきます。夕食が終わって家事が早めに片付いた夜は、またお湯を沸かしてお茶を飲みます。


暮らしの中で、登場シーンの多い鉄瓶。南部鉄器は扱いが難しいように思われがちですが、日々の流れの中に取り入れると、なんという事はなく、ただただまろやかで美味しいお湯を沸かしてくれて、鉄分(二価鉄)まで取れてしまう道具です。この鉄瓶は岩手県盛岡市にある南部鉄器工房 釜定 が作る、「鉄瓶 柚子 肌」。

安定感と張りのある形は絶妙な輪郭のラインからで、砂型を合わせる部分の線もこのデザインにおいては、曲線を切り替える為のきっかけになっていて、重心をとらえている様にも思えます。若干落とし込むような蓋の形になっていいて、お湯を注ぐ際にズレにくく、抑えやすくなっています。

口の部分はお湯の切れもよく、根本のプクっとした部分でお湯の流れを柔らかくしている事が分かります。


表面は柚子肌と名付けられているように、柚子皮の様なテクスチャーで、より鉄器らしい表情を生み出しているように思えます。

伝統工法からくる技術がしっかりと形になっている伝統工芸品。
日トでも毎回少量ですが、入荷しています。
この記事の画像は、実際に7年ほど使用しているもので、なんだか風格出ています。(湯呑みは陶芸家 都築明さん作)鉄瓶が熱いうち布で磨くと艶が出てくるそうです。私はマットな質感が好みなので磨いていませんが、取っ手の部分は日々使ううちに艶が出てきて、上品な艶が出ています。口の下には南部釜定のロゴが入ってます。

使い方は本当に簡単で、①水を入れる→②弱火よりちょっと強めで火をつける→③沸騰したら火を止める→④使い終わったら、軽く火にかけて水気を飛ばす。
ちなみに鉄瓶の内側は殆ど洗いません。水に含まれるミネラルが内側について白くなってきますが、これがお湯をまろやかにする秘訣の様です。(私は半年に一度程度、手ぬぐいを濡らして粉っぽくなってくる部分を拭き取っています)


実はこの鉄瓶を暮らしに取り入れる前までは、白湯や、コーヒーで一息つく時間はそんなに多くはありませんでした。
生活環境にこの鉄瓶が入ることによって、今の暮らしに作用したのだと思います。徐々に暮らしが変化している時には気がつきませんでしたが、今振り返ると鉄瓶が起点になって暮らしに一息つく時間が加わり、ふと我に返る時間や、家族や友人と、肩の力を抜いて話す時間が増えたように思います。
お茶や、コーヒーの時間が好きな方にぜひお勧めしたい、日常で使える伝統工芸品です。
釜定 - 鉄瓶 柚子 肌
https://hitogallery.theshop.jp/items/89514006