2025/07/14 14:44

日本人の繊細な所作を思い描いた、日トの箸置きの紹介です。
箸置きはその昔、神事に箸を汚さない為にと作られたものだそうですが、広く一般家庭に広まったのは明治時代からだそうです。
私自身も常に箸置きを使うわけではなく、お昼ご飯に食べる丼ものや、1人で食べる時にはあまり使わないように思います。
ただ、家族や友人と食事を囲む際には、箸を置いて食事に一拍入れながら、相手を見て話す時間は変え難いものがあるなと思うようになりました。
というのも、箸置きがあることで、相手から見える自分を含めた景色の中に使用中の箸があり、それが手元に近い場所で綺麗に置いて
ある。それだけで背筋がピンと伸びる様な気持ちになります。両手で静かに箸を置く所作も、箸という繊細な道具があるからこそで、日本的で美しい文化だと思います。
私が考える良い箸置きとは、小さく重みがあり、箸先を揃えて置きやすい、凛とした形のものです。
日本では長寿や繁栄を願う縁起の良い形、自然界では安定した構造とされている六角形を基に形成しています。
形状的に持ちやすく、置きやすい。毎日の食卓の動作に「凛」とした感覚を重ねる事で見えてきた形でした。
箸置きを考える中で、より食事の時間に真摯に向き合えた様な気がします。小さな贈り物としても使える様に、小箱に入れてお渡しできる様にしました。この小さな箸置きに込めた想いが、少しでも伝われば嬉しいです。
最後に、とても悩みましたが日トの刻印を入れました。これは真鍮という材料が人の寿命よりも長く存在する素材である事から、道具として人から人へと受け継がれていく中で、責任を持って作られたモノの印になればと、私たちの想いです。