2025/02/06 14:53
2023年にオープンした日トも2年が経ちました。お取り扱いしている作品や作家さんのことなど、Instagramで断片的に紹介していましたが、「日トの手帖」として、器や暮らしの道具はもちろん、考えている事や暮らしの事、イベントの事などSNSでは伝えきれない事も含めてこちらに記す事にしました。
まずは場所について。日トがあり、私達が暮らすのは山口市仁保という中心地から車で20分弱の田畑が美しい山麓地。

この場所に初めて訪れた日、まだ肌寒い季節に気持ちの良い風が吹いていた事を思い出します。
山々に囲まれたこの場所は市街地に比べると、夏は割と涼しく、冬は毎年積雪があるほど寒くなります。大きめの道路から少し離れたこの場所は鳥の囀りや草木の擦れる音、時折聞こえる営農の音が周囲に響いており、人の営みと自然が程よく共存している場所と思えます。
日本には四季・二十四節気という言葉があるけれど、同じ場所で毎日景色を眺めていると、とてもそれでだけには分けられず、七十二候という言葉の方がこの地には合っている様な気がします。



元々、畑や野草などに興味があったわけでは無いのに、この場所で暮らしていると周辺の自然環境や人からの影響もあり、山や土、川からの恩恵を活かして暮らす事が気持ちを豊かにしてくれている事に気づき、徐々に足元の暮らしの範囲が広がってきました。
私も妻もデザイン畑出身な事もあり、物事の切り口がデザイン寄りではあるものの、この環境の影響で視野が広がってきたように思います。
自ら欲さないと入ってこない新しい情報の代わりに、目の前にある景色から入ってくる変化(情報)が自分達にどんな影響を与えるのか。この地に属することで、どんな感覚が芽生えて、何を生み出していくのか。今だにじわりじわりと自分の感覚が変化していく実感があります。
地形も地域も人も含めて、周囲の環境。まだ数年間ですがこの場所で暮らすことでそんな事が見え始めました。